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”孤独”から一歩を踏みだすスキンケアを分かち合う_化粧品メーカーと化粧品製造工場の違いを知る(2)_Story5

化粧品メーカーと化粧品製造工場の違いについて、イメージすることができつつあるキドは、化粧品工場で働く従業員に日常的に行っているスキンケアについてのアンケートを行いました。

私が、アンケートで知りたかったことは、

”スキンケア”の基本を理解しているか?

普段、スキンケアをどのようにして使用しているのか?

スキンケアという”モノ”を使うことで得られる喜びは、肌を健康的に導く以外に何かあるのか?

でした。

アンケートを答えた従業員のモニター属性は以下になります。

アンケートに答えた人 136名
従業員の男女比 85% /女性 15% /男性
年代 30~40代 75%

普段、スキンケアをどのようにして使用しているのか?
という疑問に対する答えは、このようなものでした。

気になった答えは、
毎日、化粧水を使用している人が、89%
毎日、乳液を使用している人が、49%
となっていたことです。
化粧品製造工場で働いているけど、化粧水の後に乳液を使用していない人が約半分
化粧水で肌にうるおいを届けても、乳液のエモリエント機能で肌のうるおいを維持しないと、肌のモイスチャーバランスを整えることは難しい…

※スキンケアブランドによっては、乳液やオイルを先に塗布して化粧水を使用する場合があります。ご使用中のブランドのお手入れステップに準じてご使用ください。上記の内容は、筆者のこれまでの経験にもとづく所感であることをご了承ください。

次に、化粧水の使用方法を確認すると…
顔の肌を軽くおさえるようにしてなじませる
といった、肌に刺激を与えにくい使用方法を実践している人が、約半分いたことがわかりました。

でも、
半分
です。
あとの半分は、
肌に刺激を与えかねない使用方法を日々のスキンケアの時間で行っている可能性がある…

これは、化粧品メーカーに長年従事してきた私にとって、非常に悩ましい結果となりました。
それはなぜかというと、日々のお手入れで肌に刺激を与えてしまうと、日常的に降り注ぐ刺激と相重なることで乾燥が進み、肌トラブルの原因に繋がる可能性があるからです。

多くの化粧品メーカーは、”スキンケア”を以下の基本ステップを踏むことで健康な肌へと導くことができると考えています。

取り除く・整える・与える・守る

機能を持つスキンケアアイテムを、

正しい”使用量”と”使用方法”

でお手入れをする。

※化粧品メーカーの美容理論によって、スキンケアの基本ステップの言葉の使い方に違いがあります。ご使用中のスキンケアブランドが推奨する言葉を理解しながら使用されることをお薦めします。

また、私たちの身体の中の臓器や血管などを守るため、常に最前線で戦う”肌”に、
気をかけ
手当てをし
育てる
という意味を持つスキンケアの基本や正しい使用方法を、新しいブランドの商品や施策を開発する過程では”従業員”に、発売後は”お客さま”に伝えたいという思いが強まりました。

UnsplashのDiana Polekhinaが撮影した写真

次に、スキンケアという”モノ”を使うことで得られる喜びは、肌を健康的に導くこと以外に、別の価値があるのか?という疑問です。

この記事に書いている、肌は”触覚”という感覚以外に、その他の五感が備わっている…という科学的知見の中に、
スキンケアを使用する喜び
という価値が隠れているんじゃないか?
という仮説を立て、アンケートの問いを立てました。

まずは、”触覚”の中で”ぬくもり”という温度の感覚について得られた結果です。
幼少期に、公園などで転んでケガをしたときに、家族や知り合いに
傷口に軽く手を当ててもらった感覚
頭をなでてもらった感覚

その後に、
心があたたまり、ホッと安心した感覚
を覚えている人が、70%いました。
肌で感じた”ぬくもり”が心までもあたため、安心した感覚になったことを、30~40代の大人になった”今”でもどこかで覚えている…
触覚は、手当てをしてくれた人との”絆の証”になって、記憶の深い部分に入り込んでいるのではないか…と考えました。

Image by Myriams-Fotos from Pixabay

次に、肌から感じる”嗅覚”について、
深い森や林の中に入ったときに、目や鼻、耳からの感覚以外に何らかの感覚を感じ取ったことはあるか?という問いに対して、40% の人が何らかの感覚を感じたことがあるという結果になりました。
感じ取ったことがある人の割合は半分以下になりましたが、感じとった人は、
清々しい、落ち着いた、安心した
という感覚を覚えたようです。

さらに、肌から感じる”聴覚”について、
音楽ライブや演劇など、ミュージシャンや俳優、タレントと同じ空間を共有したときに、耳や目からだけではなく、肌からも何らかの感覚を感じ取ったことがあるか?という問いに対して、56% の人が何らかの感覚を感じたことがあるという結果になりました。
感じとった人は、
満たされた、高揚した
という感覚を覚えたようです。

味覚については、問いを立てなかったのでわかりませんが、”触覚”以外の肌感覚を実感している人が、一定数の割合でいることがわかったため、スキンケアの新たな可能性を見出すことができるんじゃないか?と私は思いました。

でも、その可能性とはいったい何だろう?

私は、数日かけて何かヒントになる情景や言葉がないかを探し、自問自答を繰り返しました。

UnsplashのSunny Ngが撮影した写真

そんなある日、こんな答えが導き出されたのです。

ケガをしたときに”手当て”をしてもらうことで ”心があたたまり、安心した”
森林の中を歩くと ”清々しく、落ち着き、安心した”
音楽ライブや演劇などに行くと ”高揚し、満たされた”

鼻や耳から得られる
メロディーライン
という情報に、肌からの情報が重なり、響き合うことで
ハーモニー
になり、
心をゆり動かす

私は、このようにアンケート結果を解析し、このブランドのターゲットの願いである、
孤独から一歩を踏み出す
ことを目標に掲げたスキンケアブランドの商品機能や情報の開発をする上で、必要な要件をまとめました。

  1. ”ぬくもり”を感じるお手入れ法があること

  2. 様々な心の変化に対応できる”心地よさ”を、”肌と鼻”の”嗅覚”刺激で与えられえること

  3. 肌のお手入れを通じて、自分以外の誰かとコミュニケーションができること

さぁ!
これから新しいブランドとスキンケア商品の考え方をまとめた企画書づくりのスタートです。


株式会社Mont make キド

いつも、アンケートにご協力いただきありがとうございます。
前回のアンケートの結果は、以下です。
香りは好みがあるので、意見が分かれる結果になりましたね。
今回のアンケートは、幼少期の思い出についてです。
ご協力いただけると嬉しいです。


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